企業とソーシャル・キャピタルの
融合による新たな地域ビジネスモデルの構築
日本全国で、少子高齢化・人口減少への対応と地域の社会・経済の活性化が大きな課題となっています。そこでは、地域の歴史・伝統・文化、自然環境、そして人々の信頼関係やネットワークというソーシャル・キャピタルを最大限に活用することが必要であると同時に、ICTを利用した新たな社会サービスのシステムの構築や新産業の創出が求められていると言えるでしょう。
そこで、地域社会と企業がWin-Winの関係が築けるような新たなビジネスモデルを作ることが課題となります。すなわち、地域社会や地域のソーシャル・キャピタルを大切にし、積極的に活用して地域活性化を図ると同時に、企業の新たなビジネスチャンスを生み出すことを通じて、人口減少社会に突入した日本の地域社会と企業の共存共栄のモデルケースを提案することが求められています。
私たち「地域ビジネス研究会」は、このような社会的要請に応えることを目的に2016年2月に設立されました。同志社大学公共サービス研究センター、京都府南丹市そして様々な企業が協力・連携して、新しい地域のビジネスモデル構築に向けた社会実験を行い、その成果を基に将来的には「NANTAN地域課題ソリューション・センター」(仮称)を設立することを視野に入れた調査研究活動を展開しています。具体的には、次のような段階を踏んで調査研究を進めて行くことを想定しています。
次の主要3課題に関する調査と基本アイデアの構築
第1段階で企画したビジネスモデルを、南丹市をフィールドとして社会実験を行う。より現実的かつ収益性の高いビジネスモデルにブラッシュアップする。
南丹市で新しい地域課題解決ビジネス(新しい高齢者サポート・サービス、6次産業化した農林業、ニュー・ツーリズム等々)を展開するとともに、南丹市と企業が協力して「NANTAN地域課題ソリューション・センター」(仮称)を設置し、国内外へのビジネス展開の拠点とする。同センターでは、新たなビジネスモデルの開発、地域ビジネスを支えるICTの開発、ヒューマン・サービスを提供する企業・団体等の研修、南丹市のコミュニティ・ビジネス団体の情報交換・交流機能の提供などを行う。